TOEFL iBTのリーディングは英文自体の難易度も高く、分量も多いので、正確な文法理解と高度な語彙力をベースに、サクサクと読んでいく必要があります。しかし慣れてくればこのセクションは多くの日本人受験者にとって得点源となります。満点は30点です。セクション合計得点120点満点中100点を目指す方は、少なくとも25点程度、できれば28点前後を取得できるようにしてください(多くの日本人受験生はスピーキングセクションで20〜23点にとどまるので、その分を補うためにリーディング及びライティングで点数を余分に稼ぐ必要があります)。

リーディングの問題形式と時間配分

大問3つ(3パッセージ)合わせて60分で解答、もしくは大問4つ(4パッセージ)で80分で解答します。後者の場合は、4つのうち1つは実際には採点されないダミー問題となります。TOEFL iBTではリーディングもしくはリスニングのどちらかにダミー大問が1つ入りますが、どれがダミーかわからないので全て真剣に解く必要があります。尚、途中で休憩できるポイントはないので、60分もしくは80分ぶっ通しで解答しなければなりません。

大問1つ(1パッセージ)につき、小問が約14問あります。各大問の中の最終小問は、パッセージ全体の理解を問う問題で、唯一この問題の配点が他の問題より高いので、ここで時間切れになってランダムクリックするのはもったいないです。また、ここにきてパッセージを最初から読み直していては間に合わないので、それまでの問題を解きながらパッセージの内容を把握して頭に入っていることが望ましいです。

上記の最終問題以外は全ての小問の配点が同じなので、わからない問題に時間をかけすぎないように注意してください。例えば、単語の意味を問う単独問題については、わかってもわからなくても5秒〜30秒程度しか割かないようにすることをおすすめします。また、制限時間は3パッセージ計で60分もしくは4パッセージ計で80分なので、1パッセージごとの制限時間はありませんが、平均して1パッセージ20分での解答が目安になります。大問1つ(特に自分と相性の悪い大問)に時間をかけすぎないように気をつけてください。具体的には、1パッセージにかけられる時間の限界は22分程度です。例えば25分を1パッセージに費やした場合、その他の大問にしわ寄せがいって得点が伸びなくなります。

リーディングおすすめ解法

各パッセージ(大問)の最初に、パッセージ全体が現れて、一番下までスクロールすると設問(小問1)に進めます。非常に高いリーディング力をお持ちであればパッセージ全体を1分弱で流し読みして内容をさっと掴むこともできると思いますが、大多数の方におすすめなのは最初は何も読まなくても良いので一番下までスクロールをして小問に進むことです。というのも、TOEFL iBTの小問は最終問題以外は全て「各小問に該当するパラグラフ(段落)」を読めば答えがわかるようになっているからです。

但し、それぞれのパラグラフを読む際はまとめて(通しで)読むことをおすすめします。これは小問ごとに答えをピンポイントで探そうとするよりも、リーディングの内容自体を理解した上でそのパラグラフに関係する小問(パラグラフ1つにつき小問約2,3個)をまとめて解答する方が、遥かに効率が良いからです。パッセージをまるごと通しで読んで内容を記憶するのはなかなか困難ですが、パラグラフずつであれば十分内容を記憶しておけるはずです。各小問は、最終問題を除き、全て4択です。

小問の設問内容を先に読むかどうかは好みによります。唯一避けるべきは、設問内容のうち4つの選択肢まで先に読んでしまうことです。例えば選択肢の4つの文章のうち本文に合ったものはどれか、という問題の場合、本文を読む前に先に選択肢を読んでしまうと、4つの英文を頭に入れたまま本文を読まないといけなくなり、混乱します。更に、4つのうち1つだけ本文の内容に合わないものはどれか、という問題の場合、4つのうち3つは正しいので、余計混乱します。

以上を踏まえつつ、練習問題を解きながらご自身のスタイルを確立してください。

リーディングのトピックス

生物、宇宙、海洋、地質、火山といった理系分野や、歴史、地理、文学、といった文系分野まで、幅広い分野から様々なテーマのパッセージが登場します(例えば、中世イタリアでOOという街が繁栄したきっかけはこんな社会システムが…、OO地域の地層で見つかった黒曜石は実はあそこの火山と…、OO地域の文学の特徴はこれこれでこの文学はこういう経緯で世界中に広まって…、古代に生きていたOOの化石がエジプトで発見されて…、アメリカ合衆国の国民統合にOOが大きな役割を果たしていて…、現代物理学でもよく知られるOOという考え方はもともと…、OO大陸の渡り鳥は移住の際に…、などなど)。

要するに、出題範囲が広すぎる上に、そのパッセージが取り上げるテーマはかなり狭い範囲のものごとについてなので、知識をつけて対策しようとするのは効率が悪すぎます。また、知識があっても相性が良い問題と悪い問題があります。私の場合は例えば、大陸移動説の問題は地理が得意だった私にはとっつきやすかったですが、日本の武家社会の問題では中途半端な知識が変な先入観になってしまって逆に苦戦した、ということもありました。

ではどうすれば良いかというと、トピックスについて心配する必要は全くありませんし、準備する必要も全くありません。なぜなら、これらは全て各分野の入門知識であり、英語さえ理解できれば専門知識ゼロでも内容が理解できる(30点満点が取れる)ようにできているからです。言ってみれば、アメリカの大学1年生が一般教養の授業で使うテキストの中の、第1章の一番初めのパッセージを持ってきたようなものなのです。その証拠に、ど文系の私でも、コンスタントに28点前後が取れています。

リーディング勉強方法

勉強方法はこちらにまとめましたので宜しければご参照ください。

 

今日はここまで。Ciao:)