Mambo!

(「マンボ!」はスワヒリ語で「こんにちは」の意。ちなみに、相手に先にマンボと言われたら、返事はポアです。マンボ!マンボ!、ではなく、マンボ!ポア!、合言葉みたいですね。)

本記事ではタイトルの通り、Youは何しに日本へ帰らずタンザニアに行ったのか、書いていきたいと思います。

そもそもなぜ海外大学院生はインターンシップをするのか?

海外大学院生にとって、大学院在籍中のインターンは定番中の定番です。その本質的な理由は少なくとも2点挙げられます:

  1. know-how / working experience in that field

日本以外の多くの地域では、日本の就活と違って組織による新卒一括採用やポテンシャル採用という概念が基本的にはなく、程度の差こそあれど即戦力採用が前提です。また、学部生ではなく大学院生ということで、入学前に既に職歴があることが大半です。故に、正規ポストへの応募条件として、応募先ポストに関連する業務/環境etc.を経験していることがほぼ必須になります。これは「履歴書を強くする」ことが必須、と言い換えられます。

2. know-who

需要と供給(e.g. 働きたい人は多いが、ポストの数が少ない&組織ではなくポストに応募するので採用されるのは基本的に1人ずつ)の問題で、国際機関等の倍率の高い仕事では、コネがないとそもそも選考に辿り着けないことが大半。但し、ネットワーキング自体は一般的に、インターン以外にも大学院のOBOGとコンタクトを取る等の方法もあります。

いつインターンシップをするのか?

次に、海外大学院生は在学中のいつインターンをするのか、これにもだいたい2パターンあります:

  1. 長期休みにフルタイムでインターンをする

フルタイムインターンはだいたい2ヶ月以上のコミット期間を求める組織が多いので、必然的に長期休みになります。1年半以上の在籍期間のある大学院では、だいたい2~4ヶ月くらい夏休みがあり、フレッチャーでもその時期はみんな世界中に散らばります。一方で、冬休みは長くても1ヶ月程度しかないので、冬はインターンシップはせずに実家でゆっくりしたり旅行したりする学生が多いです。

2. 学期中にパートタイムでインターンをする

週3日勤務だったり、あるいは午前午後で区切ったりして、学期中に行います。しかし、国際機関や民間企業が集まるNYや、シンクタンク等が集まるDC比べると、ボストンにおけるインターンシップの機会は少ないです(逆に、ボストンでは二足のわらじの人は少ないので、学問に集中したり、直近の就活ばかりに囚われずに長期的に意義のあるネットワーキングをするには、すごく良いところです)。

3. 例外:学期中に「卒業必要単位の一環として」フルタイムでインターンをする

一部の学科やコースでは、インターンを必修としているところがあります。この場合、長いところでは1学期丸々使ってインターンをしているケースもあります。

インターン以外の選択肢は?

もちろんインターン以外にも、休暇の過ごし方は幾らでもあります。

  • 旅行する。
  • ボランティアする。
  • 勉強や研究をする。
  • 帰省する。
  • 家族と過ごす。

どれも大事ですし良いことですが、その中で私がどうしてインターンを選び、どうして今回タンザニアに行ったのか、書いていきます。

直近のゴールから逆算して、自分に足りないものは何か?

現時点での私の、直近のゴール設定は、国連や世銀といった国際機関で職を得ることです。「どの機関にで何をしたいのか」「どのルートで入るのか」等々、より具体的にはもっと色々細かくありますが、本記事の主旨と離れてしまいそうなので、ここではひとまず省略します。

そこから逆算して、今の私に確実に足りないものは大きく分けて、「現場(途上国)での経験」「修士号という資格」「語学力や文章執筆and/or計量経済等のスキルセット」の主に3つです。修士号とスキルセットは、大学院で頑張れば良いとしても、現場での経験だけは大学院に籠っていても得られないものです。国際機関にとっての「現場」は多くの場合、いわゆる途上国と呼ばれる国々です。そうなるとまず、途上国経験の有無がものをいいます。

実際に国際機関は大多数のポストの採用において、途上国経験があることを重視しています。それをどうやってみるのかと言えば応募書類で、主に履歴書とカバーレターということになります。かくいう私自身、実はタンザニアに来るまでは途上国経験は旅のみで、開発系の職歴もなかったので、このままでキャリアチェンジができるのかという焦りを勝手に感じていました。

またしかし、そういった計算以上に、できるだけ早い段階でとにかく自分の目で現場を見たいという思いがありました。

現場を見てみないと、想像力が追いつかないことってある

前職の民間企業での法人営業時代にも強く感じていましたが、ここタンザニアに来てもやはり感じるのは、「現場」を知っているかどうかは極めて重要だということです。

「現場」を知らないと、想像力が及ばずに机上の空論を振り回す羽目になったり、無機質でバランスを欠いた判断をしたりする恐れがあります(その一方で、本部を知らない人や、外の世界を知らない人も、正義感だけで実現可能性のない理想論を振り翳したり、現場ばかりに感情移入してバランスを欠いた判断をする恐れがありますので、気をつけないといけないと思います)。

例えば、1日1ドル以下で生活している人が世界には沢山いて〜みたいなことをどれだけ机の上で勉強したとしても、そのくらいの収入で生活している人と実際に話してみないとわからないがどれだけ多いことか。人間の想像力は決して過信してはいけないと強く思います。

また、自分が誰のために/何のために働いているのか、その人々と触れ合ったりその状況に直面したりして、それが具現化されることで初めて、「自分はやっぱりこの人たちのために/このミッションのために働きたい」ということがわかり、仕事がジブンゴトになるという効果も期待できるかと思います(もちろん、現場に行ってみた結果自分が頑張れるのはここではないと気づくこともあると思いますが、それもそれで前進だと思います)。

タンザニアへ向かった理由、WASSHAとの出会い

では、どこに行こうか。たまたまそう考えていた時に、日本発のソーシャルビジネスWASSHAがインターンを募集しているというFacebookの投稿を、尊敬するフレッチャーの先輩がシェアしていて、目に留まりました(ちなみにその先輩も、以前WASSHAでインターンをしていたことがありました)。

WASSHAは、現在タンザニア全土で未電化地域のBOP層(低所得者層)向けに電力の小売事業を展開している、日本発のソーシャルベンチャーです。詳しくはこちら=WASSHAがおもしろいので勝手にまとめてみました。

まず何より、めちゃくちゃ面白そうだと思いました。そして調べれば調べるほど、WASSHAという会社は自分が理想とする開発の形を実現しているらしいことがわかりました。要するに、事業内容や方向性が、自分の価値観と合っている、と思いました。

国際機関や国際協力は非常に幅広いのですが、現在私が照準を絞っている幾つかの領域のうちの一つが「官民連携による持続可能な開発」でした。

これまで民間かつ営業畑にいた私は、資金や人員といったリソースは常に足りない中で目に見える成果を出さないといけないこと、そしてお金を稼ぐのは大変だということ(=利益をこれだけ出すためには売上はこれだけ必要、社会福祉や対外援助の予算/財源は全て人々の血税、等)を肌で覚えました。

故に今の自分は、現場の人々のために予算が足りないと声高に叫ぶことよりも、現場の人々が「手持ちのリソースをどう使えば目的を達成できるか」and/or「自らお金を生み出して発展いくにはどうすれば良いのか」に重きを置きたいと思っていたところでした。

そして極めつけは、上記の以前WASSHAでインターンをしていた大変素敵なフレッチャーの先輩から、WASSHAのCEO秋田さんがとにかく素晴らしいという話を聞いて、とにかく行ってみたい、生でWASSHAを見てみたい、その思いが自分を突き動かしました。

WASSHAのタンザニアインターンは通常、約3ヶ月かそれ以上をタンザニアで働ける人が対象なのですが、たまたまインターンが非常に少ない時期だったこと等のラッキーも重なり、複数回のオンライン面接を経て、約1ヶ月程度という超ド短期にも関わらず大変ありがたいことに受け入れていただけました。

(しかし基本的には、少なくとも2, 3ヶ月というまとまった期間を過ごした方が絶対に良いと思います。1ヶ月半だったり2ヶ月、あるいはそれ以上経ってからようやく、何か見えてくるものだったり、ぶつかる壁だったり、実る成果だったりが絶対にあると思うので)

そんなこんなで、タンザニアに来て、素晴らしい経験をさせていただいている最中なのであります。私の希望通り、オフィス内だけでなく現場へも行かせていただいているので、また次回以降の記事に書いていきたいと思います。

WASSHAについて詳しくはこちら:WASSHAがおもしろいので勝手にまとめ

See you soon:)