土曜日はボストン日本人研究者交流会(BJRF)に参加してみたのですが、ものすごく面白かったです。今回のトピックは「人類初期のイノベーション」、言語学の専門家であるMITの宮川繁教授による講演でした。私は全く背景知識を持たずに(漠然とした好奇心だけを持って)講演におじゃましたのですが、とにかく興味深い内容で、知的好奇心が刺激され満たされる楽しい時間を過ごせました。講演の内容自体は残念ながら非公開なのですが、どんなトピックだったのか少しでもイメージを持っていただければと思いまして、以下、BJRFホームページに記載されている今回の講演概要を引用します。

「人類初期のイノベーション」

宮川 繁 氏

Professor of Linguistics & Kochi-Manjiro, Professor of Japanese Language and Culture, Senior Associate Dean for Open Learning, MIT

概要

350万年前にホモ・サピエンスの祖先が初めて道具を「発明」した。石のかけらのようなものだったが、この道具ひとつで100万年生き続けた。これが哺乳類初のイノベーションである。このようなイノベーションは一体どのように生まれて来たのだろうか。道具のほかに言語や世界中の洞窟で発見されている壁画も人類初期のイノベーションである。これらはどのように生み出されたのだろうか。どれも全くの白紙状態から出てきたわけではなく、すでに存在しているものを工夫し改良して作り出したのである。例えば人間の言語は10万年前に出現したと言われている。現代の言語を分析してみると、そこには二つのシステム(「単語」、「表現(文法)」)が存在し、多くの動物や鳥はこれらに似たシステムを別々に使っていた。人間は、 既に存在していたこの2つのシステムを統合したと考えられる。他のイノベーションも同じような経過をたどって生み出されたと考えられるのである。

今回は年に一度の基調講演会でしたが、通常の講演会は毎月行っているとのことです。過去に扱われたトピックスをみてみても、医学、宇宙、移民難民、テロ、国際ビジネス、国際政治、などなど、非常に幅広くワクワクします。講演を聞きにきている人は、もちろん研究者の方だけではなく、高校生・大学生・大学院生などの学生の方から、官民問わずボストンにて働かれている方、そしてそれらの方々のご家族(配偶者・子)など、これまた幅広いです。ボストン界隈にお住まいの方で「ボストン在住日本語話者による、知的交流コミュニティー」に興味がある方は、ぜひ機会を見つけてBJRFに参加してみてください。

そしてこういった機会に恵まれていることも、留学先としてのボストンの魅力を高めていると思います。大学院の秋学期も始まり、ますます課題等やることが増えそうですが、これからもできる限り参加していきたいと思います。

See you soon:)