昨日までは常夏のダルエスサラーム(気温30℃超)でしたが、今日からは極寒のニューヨーク(氷点下)です。とはいえ寒い中コートの襟を立てて歩くのも結構好きなので笑、そんなに苦ではないです。

はじめてのキャリアトリップ総括

さて、フレッチャーキャリアトリップとは、一言で言えば集団OBOG訪問です。1月の中旬にNYで、2月の下旬にDCで、それぞれ開催されます。

自分でOBOGに連絡してアポを取らずとも、学校がセッションやレセプションをセッティングしてくれます。今回はレセプション以外に4コマ(一日二コマ)設定されていて、コマ毎に10箇所くらい選択肢がありました。大規模なところだと50人くらい、小規模なところだと10人くらいです。

しかし、アポをセットしてくれるのでOBOG訪問のハードルが低くなっている反面、準備をして行かないと結局は集団の中の一人でしかないので、次に繋がるネットワーキングにできるか、社会科見学で終わるかは、結局準備次第ということになります。

私は今回のNYでは、準備不足が祟って、社会科見学になってしまいました。つまり、受動的な学びはあったけれど、それ以上の実利はなかった、ということになります。反省。しかしモチベーションが上がったという意味では、参加してプラスだったと思います。インターン探さなきゃ、と実感しました。

とはいえ次回のDCでは、また同じ準備不足パターンで行くとさすがに費用対効果が悪い気がするので(キャリアトリップ自体に費用はかからないものの、宿や往復交通費は捻出する必要あり)、学校がセッティングしてくれるセッションの合間に、できれば個人的にアポをお願いしてみたいと思いました。

尚、キャリアトリップでの具体的なインターンポストの提示は、(期待していた学生が相当数いましたが)基本的に「ない」と思った方が良いでしょう。だからこそ、受動的な姿勢で参加すると社会科見学どまりになりがちなのです。

今回のビジット先&個人的な充実度を参考までに記載しておきます。

1/10 午後1コマ目 UNDP:★☆☆

一般的な話に終始し、新たな学びや刺激は正直少なかったです(かと言って専門的な話になった場合、たまたま分野がドンピシャな学生以外は置いてけぼりになるので、一般的な話になるのは冷静に考えればしょうがない)。ベテランOBが「国連は財政的に予算縮小傾向=国連での就職(特に新規の就職)はこれから難しくなる」「(だからこそ)JPO*を使える国の出身者は、JPOを積極活用して国連に入るべき」と言っていたのは印象的でした。

*JPO:ジュニア・プロフェッショナル・オフィサーの略(私は以前ジャパニーズなんたらだと思っていたが、違う。笑)。国連では「どこの国の人がどれくらいの人数国連職員になれるかは、各国政府の国連への分担金の額によって決まる」のですが、日本やドイツのように「OO政府は国連にお金をたくさん払っているけど、それに見合うだけの人数のOO人がいない(せっかくお金払ってる割に、職員が少ない)」という国の人だけが使える仕組みがJPOです。詳細はこちら。

1/10 午後2コマ目 Global Compact:★★☆

若々しい(おそらく30代半ばくらい、お兄さんお姉さんのような)男女3人がプレゼンをしてくれて面白かったのと、民間が必要とされている潮流を感じることができて、民間の力を信じている自分としては嬉しかったです。一方で、グローバルコンパクト自体にどれだけの力があり、どれだけのインパクトを担っているのかについては、個人的にはそこまで伝わってきませんでした(民間と国連の橋渡しをやっているのはグローバルコンパクトだけではなく、むしろWFPやUNDPの方が民間との連携についてより積極的かつイノベーティブな印象あり)。

1/10 夜 レセプション:★★☆

立食形式(といっても食事は軽食のみで、基本は飲み物を片手に会話)で、フロアが細かくエリア分けされており、勤務先や職種のジャンル別にOBOGがまとまっていたのが良かったです。とはいえやはりここも、受動的な姿勢だと「面白いけれど、お互いにso what? という感じになりがち」になります。色々な人と話すことで結果として興味が広がることはアリだと思いますが、「興味を広げに行く」ことを目的にしてしまうのではなく、「具体的な質問をしに行く」ことを意識した方が断然betterだと思います。自戒の念を込めつつ。

1/11 午前1コマ目 Acumen Fund:★★★

女性3人(30歳前後~40代)のプレゼンで、中身が非常に面白く、人も魅力的で、しかも少人数(15人くらい)のセッションだったので、今回参加した4セッションの中で個人的にはダントツに充実していました。Acumen Fundはインパクト・インベストメント(主に開発途上国において、「ちゃんと社会を良くしていける(具体的な社会問題の解決等を実際に行える)意思と能力のある」組織への投資)を生業とする実力派NPOです。こういう人たちと話していると、「(難しくても努力の方法を間違えなければ)社会は変えていくことができるんだ」と希望が持てます。

1/11 午前2コマ目 Human Security Panel:★☆☆

所属組織は全然違う(国際赤十字からMasterCardまで)ものの各々の所属組織で「Human security = 人間の安全保障」に注目した活動を担っているというパネリスト4人が登壇しました。しかし、モデレーターおよびパネリスト同士の化学反応みたいなものがなく、またパネリストがあまりパネルになれていないのか一つの事柄について長く喋りすぎて、もっさりしたパネルでした。新しい試みだったようですが、学生の間では概ね不評だったので、キャリアセンターがフィードバックを真摯に受け止めて来年は改善してくれることを期待します。

大規模セッションの反省

UNDPやHuman Security Panelといった、50人以上が参加する大規模セッションに参加するか否かは、後から考えると、「スピーカーのOB/OGの分野やバックグラウンド等と自分のそれが近いかどうか」で判断すれば良かったと思いました。分野が近いなら参加して、Q&Aの時間や終了直後の時間に絡めば良かったですし、分野が近くないなら、UNDPやHuman Security Panelに参加するよりも、他の少人数セッションに参加した方が実りが多かっただろうと思いました。

See you soon:)